2005年12月16日

敷引き無効の最高裁判断

ついにというか、とうとう敷引き無効との判断が最高裁でなされたようですね。

1、2審は「特約によって合意が成立しており、差し引きは正当」と貸主が勝っていたものが、最高裁でひっくり返ったようです。

今日最高裁で、初判断が示されたとネットの速報で流れていました。

このブログでも多く質問があった敷金問題、これからは同様の借主勝訴の判決が続くのでしょう。

国がそうしたがっているので、時代の流れでいずれそうなると、このブログでも書いていましたが、それにしてもそうした判決が出るのが早かった気がします。
早くて2〜3年後、まあ5.6年は大丈夫。そう思っていた家主・不動産業者がほとんどだったでしょうから。(私もそう思ってました。)


今回の判決で、厳しいなと思うのは、

賃貸契約の際、貸主から、補修費を貸主と入居者のどちらが負担するかを項目別に記載した一覧表が示され、「生活することによるふすまや床の変色は入居者負担」などとする特約が結ばれ、この特約を根拠に約30万円が敷金から差し引いた。

もので、貸主が負けている点です。


1、2審は「特約によって合意が成立しており、差し引きは正当」と判断したそうですから、約束していてもダメ、そう最高裁が判断した点が厳しいですね。


速報で詳細が分からないのですが、これは貸主が、大阪府住宅供給公社ということですから、それが判決に影響しているのでしょうか?
民間貸家でも、同様の判断が示されたのでしょうか?
ここのところがちょっと、現時点では分かりません。


どっちらにしろ、これから民間家主物件でも、同様の判決がどんどん続くことになるのでしょうから、家主さんは早急に対策を考えたほうがいいと思います。


で、それにしても、なぜ不動産には、こうも国が口をはさむのでしょうか?

「説明し、互いに納得しての契約でも無効」そんな判決が不動産には多いのです。


「この条件で借りてもらっていい?」「ああいいですよ。」と契約しても、そんな契約は守らなくて良い、そう国が判断するのです。

私は、貸主借主どちら寄りでもない人間だと思っていますが、ここのところはいつも納得がいきません。

多少不利でも、不利だと思うなら約束しなければいいし、それでも約束したなら、約束は約束だろう、そう思うのですが・・・。


個人間で合意しても、法的には無効な約束が不動産では多くある。



まあ、法的にややこしく、専門知識が必要なので、これはこれで個人的には商売上ありがたいことでもあったりするのですが・・・。(爆・爆)

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posted by アムズ at 17:49| Comment(2) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月01日

分譲ペットマンション

 大分市の分譲マンション販売時にペット飼育に関する説明が不十分だったとして、同じマンションに住む愛犬家の男性(57)と動物の苦手な女性(48)が販売会社に慰謝料など計245万円の支払いを共同で求めた訴訟の判決で、大分地裁(滝岡俊文裁判官)は30日、計101万円の支払いを命じた。
 判決理由で滝岡裁判官は、「十分な説明をせず、住民間にペット類の飼育に関する問題を生じさせた」と認定。
 「動物が嫌いな女性は精神的苦痛を受け、犬の飼育を条件にマンションを購入した男性は犬を手放すことを余儀なくされた」と指摘した。
(共同通信) - 5月30日21時21分更新

少し補足説明しておきますと、02年2月動物の苦手な女性は販売会社から「ペット禁止」と説明を受けてマンションを購入。
しかしマンションが売れ行き不振のため、販売会社は「ペット飼育可」に節操無く方針変更。
愛犬家でペットを飼っていた男性は「飼育可」の条件で03年6月にマンションを購入。
その後、管理組合は「ペットの飼育は1代限り」と決議。
男性は入居時の犬が死んだため、新しい犬を飼えなくなった。
動物の苦手な女性と、愛犬家でペットを勝っていた男性は共同で、分譲マンション販売会社を訴えて、女性に11万円男性に90万円の支払いを命じる判決。


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これ私が今、売り依頼を受けているマンションでも、ほとんど同じ問題で、もめているんですけど。
全国で言えば、ものすごく多いのでは。
posted by アムズ at 20:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年02月06日

マンションは管理を買え

「マンションは管理を買え。」と言われていますね。
マンション購入を考えた人なら、一度は聞いたことがあるはずです。

確かに管理状態の良いマンションと、悪いマンションでは、同じ築年数でも、見た目が全然違いますし、古くなった時に大きな差が出てきています。
もっとも、管理状態の悪いマンションは、当初の販売時点でローコストマンションだという面もあるので、管理状態ばかりが原因ではないのでしょうが。

それで、不動産やってる人間として、この点で不思議なのは、「マンションは管理を買え」といわれて、管理状態の良さを売り出しのセールスポイントにしているマンションでも、確かに日常の共用部分清掃状態などの管理は良くても、当初の月々修繕積立金額が低すぎることです。

中古マンションを扱っているので分かりますが、ほとんどのマンションが10年もすれば、当初の修繕積立金を、倍近くに値上げしています。
新築分譲時点で既に、当初設定の修繕積立金額では、修繕費が将来不足するのは、分譲主のマンション業者は分かっているんですね。
それなのに、新築分譲時点では、修繕積立金を低く設定して、売っています。
将来の修繕計画を見越し、修繕積立金を設定したのでは、月々の支払いが上がり、売りにくいからというだけの理由でそうしているわけです。

なぜ、こんな事になっているのか?
これは新築マンション業者にも、もちろん責任があると思いますが、購入者側にも問題があるからだと思います。
購入者も、当初の月々支払い金額だけで、購入を判断してしまう面があるからです。

おかしいと思いますね。
マンションが日本で販売され始めて、まだ日が浅いというならまだしも、古いマンションは30年以上経ちます。
近頃は、修繕金不足でスラム化しているマンションが、問題化し始めているにもかかわらずですから。

それでも最近ようやく、10年20年30年後の将来的な修繕計画を、新築販売時点でたてたマンションが、売り出されているみたいです。
が、まだまだ少数で、半数以上のマンションが、相変わらず不足するのが分かっている積立金の設定で売られています。

当たり前の話ですが、修繕はどんなマンションであっても、絶対に必要なんです。
月々の積立金が低ければ、やらなくていい、なんてものじゃありません。

日常の管理状態が、ホテル並みに受付嬢がいるなんていうのも、悪くありませんが、「管理を買え」の本当の意味は、「将来にわたっての修繕計画がキチンと出来てるか、よく見極めて買え。修繕しないといけないのに、その金も無く放置されるようなマンションは買うな。」の意味です。
「管理を買え」の、管理の意味を、日常の管理だけで捉えている人が多いんじゃないでしょうか?

もう少したてば、マンションのスラム化が、きっと社会問題化してきます。
当初の月々修繕積立金額が低ければ、修繕計画のずさんなマンションとして逆に売れない。
そんな時代に、早くなってもらいたい。そう思います。
posted by アムズ at 20:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月04日

不動産投資のウソ「20年・30年後にも陳腐化しないマンションを建てましょう。」

先日書いたマンションオーナーの 話し ですが、マンション経営を失敗してしまった理由が、まだ他にもあります。

確かに、条件の悪い土地にマンションを建てたのも失敗の理由の一つなのですが、更に悪いことに、建てたマンションの仕様にも問題がありました。
このオーナーは、ゼネコンに言われるまま、周辺は古い木賃アパートが立ち並ぶ地域に、場違いな高級マンションを建ててしまっていたのです。

ゼネコン担当者に、
「10年ほどで陳腐化するようなマンションでは、ダメです。そんなマンションを建てたのでは○○(建てた会社の名前)の名折れです。
ローンは30年組むのですから、最低30年間はあとから建った他のマンションとの競合に負けないものを建てましょう。」
そう口説かれて、

オートロック・総タイル張り・不在時の宅配物受け取りロッカー・広い玄関ホール・広いバルコニー・BS・光ファイバー・共用部分には有線放送でバックミュージック・等々
それはそれは、立派なマンションを建てていました。

建物だけ見れば担当者が言うとおり、成功間違い無しの建物です。
マンション経営をするならば、立派なマンションを建てるにこしたことはありません。
家賃も高く設定出来ますし、古くなっても競争力があります。更には、入居者も世間的に地位の高い人間で、家主としての満足感も満たしてくれます。
しかしそれは、高級マンションの似合う地域に、建設するならばの話しです。
高額の家賃を払う人は、その家賃にふさわしい、それなりの地域に住みたがります。

例えて言えばこの家主さん、学生や労働者相手の定食屋さんが並ぶ地域に、突然高級レストランを開店したようなものだったのです。
高級レストランをやりたいなら、それに適した場所を選ぶべきです。
諸般の事情からそれが出来ないのであれば、高級地の高級レストランと同じシェフ・同じ食材・同じ手間をかけても、料金は同じように設定出来ません。

同じように、高級賃貸マンションを建てるなら、場所選定はマンション経営を成功させる為の、重要な要件の一つなのです。


このマンション、今では当初より2割以上も、家賃を下げています。
仕方ないでしょうねえ、計画そのものが、机上の空論だったのですから。

それにしてもなぜこの有名ゼネコンは、ローコストマンションしか成功しない地域に、こんな高級マンションを建てさせたのでしょうか?
私なりに推察してみると、理由は4つあります。

1.当初計画は地元建設会社が提案しており、あとから割り込んできたゼネコンとしては、差別化の意味で先行建設会社とは違う提案をする必要があったから。

2.ゼネコンは、そもそも建物を出来るだけ豪華に建てさせ、儲けるのが仕事です。
家賃が高く取れる地域ではないからと、ローコストマンションを建てさせたのでは儲からないから。

3.ローコストマンションで競合になった場合、大手ゼネコンは地元建設会社に、価格競争では絶対かなわないから。

4.もともと大手ゼネコンには、良いように言えば職人気質というか、自分達の作品と呼べる建築物を作りたがる性質があるから。

ようは最初からどんな場所に建てようと、高級マンション以外は、提案する気が無かったのだと思います。
地域特性なんて、全然考慮していません。

そんなゼネコンのくどき文句が、
「20年・30年後にも陳腐化しない、資産として残るマンションを建てましょう。」
です。
家主さんにとって、虚栄心・満足感を満たしてくれる心地よい言葉ですが・・・。


賃貸マンション建設をお考えの方、自問してみて下さい。
その場所は、20年・30年後にも競合出来る高級マンションを建てるのに、ふさわしい立地ですか?

posted by アムズ at 17:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月26日

不動産投資のウソ、アパートマンションは条件の悪い土地に建てろ・2

更にこの言葉を利用して、一棟売りをしている会社が、三角地やがけ地、高圧線下や行き止まり地などに建てたマンションを売っていますが、こんなものは投資家たるもの買ってはいけません。
回答
posted by アムズ at 08:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月24日

不動産投資のウソ、アパートマンションは、条件の悪い土地に建てろ。

不動産の常識というか、ことわざみたいなものに、「アパートマンションは、条件の悪い土地に建てろ。」というのがあります。
回答
posted by アムズ at 08:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月19日

(賃貸)家賃保証会社のほんまかいな?そうかいな。

賃貸住宅の家賃滞納の予防策として、最近は家賃保証会社があります。
通常、賃貸住宅入居の際は、ご存知の通り保証人を要求されます。回答
posted by アムズ at 19:36| 福岡 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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